6月13日  室町 繊維会館内の工房にて
6月13日撮影
 室町 繊維会館内の工房にて
 大阪産業大学卒業生が技術研修を受けておられます。
企業組合彩織工房‥1981年12月設立 手機で綴れ織に取り組み25年の工房から
(上京区室町通今出川下る)繊維会館3階

企業組合彩織工房のなりたち 
企業組合彩織工房の前身は、刺繍レースの「日本レース」現在のエコナック(株)です。
日本レースの経営が行き詰まるなか、労働組合が労働者の解雇反対を闘い、
本社工場跡地は京都民医連に売却され、大半の労働者も民医連に再雇用されました。
その後、日本レース本社や関連会社に残った労働者により企業組合彩織工房が立ち上げられました。

手作りの魅力「綴れ織」

「綴れ織」への挑戦。当時すでに韓国での生産、逆輸入の影響を受け厳しい業況でした。
坂根一美理事長は、「売れへん時には、雇用調整助成金で3ケ月ほど凌いだこともあった‥。
織屋の社長も職安まで足を運んでくれた‥。」と振り返ります。

『ものづくりする人を育てな織屋はやれへん』
織屋から技術継承のために若いひとを養成してほしいと相談があり、現在技術研修の受け入れがおこなわれています。
「彩織工房にとっても後継者育成は念願だが資金的に厳しい」坂根理事長の言葉が胸に迫ります。
くらた共子がおじゃました日も、研修中の方が手機を織っておられました。 
 「25年やってきて‥毎日が勉強。毎日がたたかい。これで満足という日はない」
 ものづくりの奥深さを知り尽くすプロの言葉は重い。

行政は織り手のくらし守り技術継承の具体化を
 西陣地域の生活のはじまりは縄文時代に遡ると言われています。大宝律令が制定された時期に
織部氏が置かれ、錦、綾、羅、紬の織がはじまり、戦乱を経てなお現在まで紡ぎつづけられてきています。
わたしは、後継者の育成問題をなんとかしたいと思っています。その時代の喜びも悲しみも織り手のぬ くもりを通して織り込められてきた西陣織の技術を絶やす訳にはいかないからです。暮らしていける最低工賃、最低賃金制度の確立なしに技術は守れません。
伝統工芸品は、技術を売っているのですからつくり手の安定育成と品質への信頼がなによりも大切です。業界任せのやりかたではだめです。京都市は、後継者育成の実態調査、ものづくりの道具の情報ネットワーク化にも取り組み、技術継承の具体策を示すべきです。

ミニ知識 綴れ織とは
 綴れ織り(つづれおり)は、下絵に沿って一回一回経糸(たていと)に緯糸(ぬ きいと)
を通し、つめを使って糸を手繰り寄せてすべて手作業で織られる。普通の帯の2倍の緯糸が使われるため
大変丈夫で、表裏とも文様が現れるためどちらも使用することができます