☆ 市民の運動と日本共産党市会議員団が市政を動かす

2008年11月06日

市議団の申し入れが実り、「無保険」の子ども105人に保険証交付へ
 国民健康保険料の滞納により資格証明書が発行され、事実上、保険証のない世帯の子どもが京都市で69世帯105人いる問題について、京都市は11月5日、対象となる市内の中学生以下の子ども105人に保険証を交付することを決め、今後も保険証を交付する方針を明らかにしました。
 
 日本共産党市会議員団は、10月31日、門川京都市長に対し、「子どもから医療を受ける権利を奪うことは許されない。国保証取り上げは直ちにやめよ」と申し入れ、①子どものいる69世帯に対して保険証を交付すること、②子どものいる世帯に対する資格証明書の発行は中止し、新たな無保険の子どもを生じさせないこと、の2点を求めていました。
 今回の京都市の発表は、日本共産党市会議員団の申し入れが全面的に実ったものです。


 以下は申し入れ文書です。



08年10月31日(金)

[申し入れ]子どもから医療を受ける権利を奪うことは許されない 国保証取り上げは直ちに中止せよ

門川大作京都市長殿                  

                    日本共産党京都市会議員団

 国民健康保険料の滞納により資格証明書が発行され、事実上、保険証のない世帯で中学生以下の子どもは全国で32903人に達していることが、厚生労働省の調査で判明しました。京都府内のおよそ41万の国保世帯の内、資格証明書の交付件数は4113世帯、その内の8割、3387世帯が京都市内での交付です。京都市の資格証明書交付世帯の内、子どものいる世帯は69世帯105人の子ども(乳幼児26人、小学生50人、中学生29人)から国保証が取り上げられていることが明らかになりました。
 資格証明書では医療費を全額窓口で負担しなければならないだけでなく、京都市が行っている子どもの医療費支給制度も使えません。何の責任もない子どもたちが医療から排除される実態は直ちになくさなければなりません。
 日本共産党市会議員団は、繰り返し質問し改善を求めてきましたが、京都市は「特別 な理由もなく、納付の意思を全く示さない滞納者への資格証明書の交付はやむを得ない」と冷たい対応を続けてきました。しかも議会の答弁では「親御さんに区役所に来ていただき相談できるよう、接触に努めたい」「支払いの意思が示されれば短期証を発行する」としながら、結果 は、子どものいる世帯であっても機械的な取り上げがされていた事を示すものです。
 滞納世帯が拡大する背景には、高すぎる国民健康保険料、非正規雇用者の増大など新たな貧困層の拡大があります。国庫負担の大幅な削減が、全国の自治体に国保料の引き上げを迫り、払いたくても払えない現在の状況を生み出した最大の要因です。さらに、1997年の国保法改定で市町村に対し、資格証明書の発行を義務付けたことが資格証明書の増大につながりました。
 資格証明書の発行義務付けの撤廃とともに、国庫負担の大幅な引き上げを国に強く求め、払える国民健康保険料へと引き下げるべきです。
 子どものいる家庭はもちろん全ての世帯で保険証の取り上げはやめるべきです。その上で、直ちに左記の事項を実施されるよう強く申し入れるものです。

  記
1.子どものいる69世帯に対して、保険証を交付すること。
1.子どものいる世帯に対する資格証明書の発行は中止し、新たな無保険の子どもを生じさせないこと。