木工細工師 加藤信五郎氏の仕事場にて 6月29日
製作中の手を止めて、お話を聞かせていただきました。
加藤さんの手から生み出される緻密な木工細工の美しさは
たとえ様がありません。
ひとつひとつが手作りで、オリジナルです。
ここにも、世界に二つと存在しない技のぬくもりと輝きがあります。
後継者はどうしはるん?
とお聞きすると、
「まあ、孫がおるけどなア、まだ若いしなア、…ゆうてんのや」
加藤さんにとっても、燃料費の高騰は無関係ではありません。
「どうしても、材料を運ばんならんしな…。」
ものづくりで食べていける状況ではない…。
そんな言葉を飲み込むように仕事に打ち込む姿がありました。
この確かな職人の技を、なんとか紡いでいきたいとの
思いをこころに押し付け、仕事場を離れました。
加藤信五郎氏は、滋賀県出身、終戦後22歳から
修行をはじめ、秀でた感性と技術をもち欄間系統
を得意として、各賞に輝く細工師です。
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