2023年2月市会 予算特別委員会第2分科会で、みなさんの要求を実現するために質疑しました。
以下、くらたメモを紹介いたします。
都市計画局審議 3月1日
●「まちの匠の知恵を活かした京都型耐震・防火リフォーム支援補助金」の復活を
○速やかな復活を求める立場で質問する。事前に、補助金が今年度休止した理由について資料を求めたところ、届けられたのは令和4年2月10日付け行財政局財政室の「補助金の点検結果資料」である。資料によると令和3年度の経費2億3580万円、一般財源9500万円を「行財政改革計画の集中改革期間中、事業を休止し今後のあり方を検討する」と。行財政改革計画の集中期間だから休止しても問題ないという局としての判断か。
(理事者)ゼロベースで点検。「耐震改修促進計画」に掲げた、令和2年度末時点の住宅の耐震化率の目標値90%を達成し、耐震化の取り組みが一定進み、市・事業者の住まいの耐震化に向けた意識の向上という状況も踏まえて、集中改革期間は事業を中止し、今後のあり方を検討する。
○目標を達成したから休止してもいいとの判断というが、令和4年度における、市民の耐震に向けての動きへの影響について掴んでいるか。
(理事者)従来よりある建築関係団体とともに培ってきた耐震改修促進のためのネットワークを活かし、市民に寄り添った伴走型の支援に重点を置いて耐震改修の普及・啓発を行ってきた。今年度は、「耐震診断を充実させて耐震改修にしっかり繋げる」考え方のもと取り組んできた。具体的には、耐震診断士派遣事業を拡充。耐震診断士に耐震診断結果および計画案・概算見積りを作成してもらい、所有者・居住者に説明するという取り組み。それによって耐震改修の具体的な工事のイメージを市民に持ってもらう取り組みを現在強化している。
○診断件数は。
(理事者)令和3年度は316件、令和4年度は現状3年度に近い件数。
○この間のトルコでの大地震と合わせ、京都市に被害をもたらすことが想定される地震として南海・東南海地震の二つの巨大地震が指摘されている。1948年の福井地震の後、比較的穏やかな期間が続いてきたが、1995年の阪神・淡路大震災や2000年の鳥取県西部地震、2018年の大阪府北部地震が続いて起こり、近畿地方は地震の活動期に入ったと考えられている。次の南海・東南海地震の発生は2040年頃と予測されており、住宅の耐震対策の徹底が求められているのでは。「京都市財政は破綻しない」と市長が宣言。2021年度の一般会計決算が実質102億円の黒字であることも認めた。今年度削り落とした京都型耐震・リフォーム支援補助金をすみやかに復活すべき。
(→理事者)耐震改修促進計画に基づき、事業者・建築関係団体・地域の方と一体となり、令和7年度末95%の耐震化率の目標を掲げてしっかり取り組んでいきたい。
○市民の命を守ることが目的。仕事を地元の業者が受注できる、本市の大切な事業であり削るべきではない。予算を拡充して積極的に市民に活用されるよう働きかけることを求める。
●相国寺北ホテル建設計画中止を
○本会議質問に対して都市計画局長は「周辺の良好な住居の環境を害するおそれがないこと等の一定の条件の下で建築審査会の同意を経て許可を受けることで、建築が可能となる」と答弁された。この事例における「周辺の良好な住居の環境を害するおそれがないこと等の一定の条件」というのはどういう条件を指しているのか。
(理事者)建物が立地することによる騒音・振動、自動車の往来等の交通などの内容が住居の環境を害するおそれがないかどうかを審査し、必要な手続きを踏んでいるところ。
○公聴会での住民から出された意見は「住居専用地域にホテルが建てられたら住環境は悪くなる」「道路幅員4メートルの周辺道路への影響は必至、通学路の安全は守れない」との意見があった。現場の状況を見て認識しているか。
(理事者)交通の問題について、建築計画上問題ないことを審査中。交通往来の多いチェックイン・チェックアウト時に周辺道路で駐停車することがないようなどソフト面の対策を確認。
○宿泊施設の建築が法律上、禁止されている訳ではないなどと述べるが、この法律は「やむを得ない場合には例外的に認める」とするもの。それを「上質宿泊施設」というしくみをつくり、法の論理を崩してホテルを誘致する方法に問題がある。しかも、建築基準法に加えて古都・京都の住環境と景観を守るための本市の都市計画ルールを曲げることで、弊害を生むことが明らかではないか。
(理事者)住居の環境を害するおそれがないと認めた場合は用途許可の限りではない。
○ホテル建設を規制している第二種中高層住居専用地域にホテルを建設する計画は矛盾する。住民の福祉の向上に反する計画を押し込むために規制を緩和することはやめよ。
建設局審議 3月2日
●土木事務所とみどり管理事務所、みどり政策室の街路樹管理業務の統合、民間委託について
〇8箇所の土木事務所を使って2箇所のみどり管理事務所と本庁みどり政策室街路樹管理業務を統合し、集約することについて。人員を統合、縮小していくことで市民の身近な生活インフラに関わる職務を縮減することになり非常に問題だ。人員の体制、今年度採用実績、来年度の採用予定は。
(理事者)土木事務所の職員は194名。みどり管理事務所職員50名。みどり政策推進室の街路樹担当7名。土木保全技術職採用数元年3名、2年度2名、3年度2名、令和4年度1名。5年度は若干名の採用予定。
〇人員の体制の確保、技術の継承は行政の責任を果たす上で極めて重要。今後も維持継続される必要がある。
(理事者)災害の頻発化、激甚化の中で難しい部分が出てきた。土木事務所の機能強化が求められている。土木事務所みどり事務所を統合し人員を増強し、災害対応力向上、市民サービスの向上を目的とする。人員体制では統合のスケールメリット、間接人員の効率化をはかる。人員削減目的の実施ではなくの機能強化、市民サービスの向上を目的に実施。それを実現できる人体制を構築していく。
〇効率化必要、行財政局との相談と言ったが、人員を効率的に縮小するという方向で問題。市民からの道路の陥没や白線が消えているが修復されない等様々な要望がある。生活関連のインフラ整備予算がどうなるのかも非常に問題。局長が前回予算審議で公共土木施設関係予算が2年間で約84億円減少、局として非常に苦慮と。道路河川、公園等と合わせて令和4年度87億8700万、令和3年度86億7500万円、令和4年度82億6400万円。来年度もさらに削減されれば市民生活の安全守れない。予算額来年度はいくら見込んでいるのか。
(理事者)当初予算は令和2年度約88億円、令和3年度約87億円、令和4年度約83億円。令和5年度当初予算は66億円あまり。当初予算だけでいうと大幅減少だが、令和2年度2月補正予算で29億2400万円。合計95億6500万円が令和4年の2月補正と令和5年度の当初予算を一体的に編成した。充実強化を計った。
〇道路河川、公園の予算66億円、がた減り。29億の補正を組まなければいけなかったことからも本体予算として消し込んだ分を復元し増額を図る姿勢が必要だ。
(理事者)国の補正予算と一体的に編成をしてきた。国費活用含め最も有利な形での予算編成。上回る土地売却収入、地方交付税の上振れ財源を活用して補正予算が組まれた。公共土木施設の維持管理の経費もかなりの金額措置。本来当初予算実施事業を補正予算で組んだ。前倒しで実施でき市民サービスプラスとの認識。
〇令和4年度予算編成時もギリギリの予算を計上と局答弁。市長が財政は破綻しない発言。インフラ整備予算削減に重大な問題があった。消し込んだ予算復元、生活関連インフラ整備予算を。対応できる職員の技量向上と人員体制を確保する立場で責任果たせ。
(理事者)全庁的な行財政改革で建設局の予算が減ってきた。市民の安心安全を守ることを第一に維持管理予算、防災減災予算は可能な限り維持に努めてきた。2月補正予算と5年度予算でしっかりとした予算を編成できた。
●パトロールの強化、道路の陥没、白線が消えすぎている
〇市民からの連絡待ちでなく本市として徹底したパトロールでやっていく予算編成が必要。行財政改革計画で除草や清掃業務など民間委託していくことが示されているが、大規模災害時の対応に支障が生じるのでは。軽々な業務切り分けは公務の責任を果たせなくなり問題がある。公務とは市民生活の全体に及ぶものである。これを切り分けるべきでない。
(理事者)様々な工事、修繕等発注、設計等で委託。中小の事業者とのパートナーシップにより政策を進めてきた。市職員直営の業務は指導監督など公権力の行使に関わる業務。道路・河川・公園等の小修繕、除草、街路樹剪定は民間事業者へ委託と直営職員がその場でやるものを併用。大規模、計画的なものは民間委託・発注する方式。小規模模、臨時、緊急対応は特に市民要望で迅速な対応が必要なもは直営。今後の方向性は民間への依頼分の比率大きくなる。民間の知恵、得意な部分と我々が引き続きやっていくべき部分は技術力を高め継承を進める体制を構築していく。
〇基本的な考えは変わらないとしながら「民間委託を広げていく」と述べるなど、考えは変わっており、公務の責任を放棄し、市民生活の安全を守ることに逆行し重大な問題がある。
〇市民のたくさんの要望がある。道路の陥没、白線が消えている等。何故事前に察知されて、府警との連携など速やかな対応を。パトロール等の努力とそれができる人員体制が必要だ。
保健福祉局審議 3月3日
●マイナンバーカードの国民健康保険証、介護保険証への適用の中止を求めよ
○昨年6月の閣議決定「デジタル社会の実現に向けた重点計画」の工程表により、厚労省が今年度からマイナンバーカードを利用した介護保険被保険者証のあり方の検討を始めるとしている。マイナンバーカードを保険証として使える制度は2021年10月~本格運用が始まったが、登録は全人口の約2割、専用のカードリーダーを設置した医療機関や薬局は約3割と伺うが、本市での状況はいかがか。
(理事者)国保の登録者数は、国保で1月16日現在7万2,000人、26%。後期高齢は43,000人、20%。
○医療機関側の設置率はどうか。
保険証をマイナンバーカードと紐づける問題について、日本弁護士連合会が「マイナンバーカードの事実上の強制となること、このことはマイナンバー法が『マイナンバーカードは本人の申請により発行する』と2つの条文で明記していることに違反する」と指摘。このことに対する認識はいかがか。疾病の予防、健康の保持増進を図る担当局として、国に対して強制ではないマイナ保険証を持たないことによる、いかなる不利益も生じさせてはならない、このことの認識はいかがか。
(理事者)医療保険での運用開始は京都府で49%。国も同じ見解だが、マイナンバーカードは申請に基づくもの、これを変更する考えは国もない。令和6年秋から一体化が基本であり、所持していない方がいることは想定の上、3省庁が集まって検討会が開かれ、資格確認証の発行で不利益を被らないように対策講じることを検討されている。
○カードを持つ・持たないでいかなる不利益が生じてもいけない。
日本弁護士連合会は、マイナンバーカードそのものの問題性について、「住基カード」と比べてもプライバシー保護の観点が後退しているとし、個人番号・氏名・住所・生年月日・性別・顔写真の情報により、名寄せ、人物像を推定するプロファイリングによるプライバシー侵害の危険があると指摘している。しかも、DX化のねらいは行政が管理する住民の個人情報を民間企業が利活用できるようにすることにあり、これが実行されれば個人の健康情報という第一級の秘匿すべき情報が漏洩、悪用される可能性もある。個人情報の保護は自治体の第一線の任務であることから、マイナンバーカードと保険証の紐づけを止めるよう意見すべき。
●コロナ感染症対策の問題について
○第6波から8波で入院し治療を受ける必要のある方が、入院できずに亡くなるという事態を生じさせてきた。このことはあってはならないことである。あらためて伺うが、国が高齢者施設において感染した入所者について、「入院させず施設に留め置く」方針を出し、京都府市において実行されたことをどう考えているか、答弁いただきたい。
府議会における知事答弁で、第8波が始まってから2月末までで高齢者施設で亡くなられた方は86名、自宅23名、高齢者施設での集団感染の発生件数411件と示された。このうち、京都市内の実数について答弁を求める。
(理事者)感染者の療養方法について、当初は原則入院だったが、感染者数が増え、重症者の割合が減る中で、状態に応じた対応となっている。高齢施設での療養者も真に必要な方は原則入院療養はできており、とめおきによる死亡はない。クラスターは、府発表の正確な内数ではないかも知れないが昨年11月~今年1月の3ヶ月で高齢者施設で233。
○とめおきによる死亡がなかったという認識は、これまでの答弁からも後退している。
京都府保険医協会の調査によると、入院できなかった理由について、最も多かったのが「保健所や救急隊員から『入院するところがない』と伝えられた」が45%。「府入院コントロールセンターが入院不可とした」が26%。また、府警の検死のまとめによると、遺体のうちコロナ陽性が認められた方が令和3年1年間で14人、4年で72人、令和5年1月は11人で通年換算すると132人と急増している。このことはコロナ感染症対策の問題点として、感染の有無を確認する検査の不徹底、治療の必要な方に医療が供給されない問題を裏付けるものである。京都府の入院待機ステーションは、臨時医療施設として稼働させることなく知事が3月末で終了し、宿泊療養施設を33施設から1施設に縮小するとしているが、医療崩壊を防ぐことができなかった、多くの命を救えなかった事実を重く受け止めるべき。
「陽性となった方全員入院できる体制の確立」が高齢者施設関係者の切実かつ正当な要求。この声に京都市として、どう応えるのか。隔離もできない、職員が感染し体制がとれない実態だった。国の責任を徹底追及することを求める、いかがか。
(理事者)「とめおき」という表現について。高齢者施設で亡くなった方がいるのは事実、数字も確認されているが、施設に止まったためになくなったと言うことについては見解の違い。
○入院を求めてもできなかったことが事実、受け止めるべき。医療体制の抜本拡充、感染症対策の強化が必要。京都市においては公衆衛生の再構築につきる。
(理事者)必要な方について入院は適切にされた。施設側で入院希望全てができたかと言うとそうではない。現状に応じて施設や自宅療養モデル。適切に医療提供するために力を尽くし提供体制を整えてきた。5月からコロナが5類に移行し、今後ふつうの感染症となった後にもこれは生きてくるもの。
●コロナ対策と市立病院中期計画について
○市立病院の中期計画にかかわり伺う。本会議質問に対して、副市長は「国方針は、(公的)病院の統合や縮小・廃止を前提としておらず今後の動向を注視していく」と答弁。公的病院の統合・縮小・廃止はないと見込んでいるのか。国のコロナ感染症法上の位置づけ変更にはいくつもの課題があり、公的医療機関の役割はいっそう高まることになると考えるが、いかがか。
(理事者)国は公的医療機関の縮小廃止を前提としたものではない。地域において民間の医療機関も含めた数や役割分担を適切に検討し、何が必要かと言うことが進められている。そのさなかにコロナ禍に入った。感染症の対策において公的医療機関の役割が改めて確認された。それをふまえて今後検討が進められる。
○公的医療機関の縮小・廃止の方針は国は維持している。
○市民の命に責任をもつために、公的病院の体制と機能の更なる拡充が必要である。そのための予算措置を求める。国は、今後コロナ感染患者はどこの医療機関でも受診でき、入院コントロールは医療機関に委ねるとしているが、行政責任を丸投げする無責任な姿勢である。高齢者施設で起こった事態も仕方ないと受け止めているのか。再び起こさないとの立場に立ってほしい。検査・医療費の自己負担化は市民の受診抑制、感染拡大、再び医療崩壊への悪循環となりかねない。国の通知待ちでなく意見を挙げよ。
コロナ対応で民間委託の京都市フォローアップセンターの対応には限界があることが明らかとなった。また、ひきこもり支援担当に位置付けられた保健師がコロナ対応の体制に組み込まれ、結局、この3年間本来業務のひきこもり支援の仕事が十分にできなかったと伺う。市長は資格を持つ職員数は他都市より多いと述べているが、その力量を活かせる体制を崩してきたことを反省する必要がある。各行政区に保健所を位置づけ、その職員が区役所や地域の医師会、地域包括支援センター、学校、保育所、幼稚園、民間団体と連携し市民の健康を守り増進する仕事ができるようにすることが必要である。
●精神障害者の医療費助成について
○精神に障害のある方の家族から相談が寄せられている。相談者は知的障害、発達障害、統合失調症を合わせもつ50歳の方の親で両親共に90歳近くになっておられる。子どもが成人病の治療も必要なことから、精神病以外の医療費3割負担が重荷となり将来の不安を訴えられておられ、大変、深刻な悩みだと受け止めてきた。本会議の答弁があったが、精神障害者の医療費助成の対象見込みについて考えを聞かせていただきたい。
(理事者)障害者医療の拡充は、昨年夏に市長が知事に早期実施を求めた。それ以降、精力的に取り組んでいる。範囲は現在検討しているところであり申し上げられない。
子ども若者はぐくみ局審議 3月6日
●民間保育園補助金削減について
〇実際に現在現場で働く保育士など職員の賃金や一時金などが減額されている実態があるということは認識把握しているか。
(理事者)各施設における職員給与の実態につきましては、今年度で3回執行状況を確認しその中で職員の給与等の状況把握している。
〇本市の保育をより良いものにしていくために、保育士、給食調理員、現場職員の処遇が後退するということはあってはならないことだ。
(理事者)昨年度の実態調査等も踏まえ、総収入よりも支出が多い園は見直していただく必要がある。すぐに見直すのは難しい園には専門の相談窓口で相談し3年間で見直しを。
〇処遇後退は由々しき事態。園の実態を掴み、速やかに寄り添う姿勢を。責任について繰り返し「園の裁量権」というが、保育は公的な責任を負うもので京都市の責任で処遇後退が起こらないようにする必要がある。不適切な運営があれば個別の保育指導を行うべき。よい保育のために努力をしてきた保育園が窮地に陥るという重大問題。京都市の責任で園が安心して運営ができ、処遇が一層前進できるように責任を果たしていただきたい。そのために必要な予算をしっかりと確保することを求める。
●子ども医療費の高校卒業まで無料化を
〇前年度約24億円、今回26億円は下半期分の府市協調での予算の計上ということ。中学卒業までの実質無償化費用は単費で2億円とあった。京都市単費で実施できない理由は何なのか。
(理事者)子ども医療費の支給制度は、制度創設以来府市協調でやってきた事業で、一緒にというのが基本的な考え方。
〇意味不明です。京都府下の各市町村は独自の努力で前進を図っている。京都市だけが府市一体でないとの理屈は通らない。国の一年間の出生数が80万人切るという事態。具体的な対策が求められている。子どもを産み育てやすい職場をつくる、現場をつくる、環境作る。本市の積極的姿勢が今こそ必要だ。中学卒業までの実質無償化は来年度から実施できる。やるべきだ。
(理事者)子ども医療助成制度の拡充をどんな形で拡充するのかは各市町村の判断。京都府と京都市と府で何回も拡充してきている。今回の拡充も前回比2倍以上の予算確保し相当な拡充をしたと自負している。今後も府市協調で子ども医療費の支給制度の運用していきたい。
〇府市の協調で小学卒業までは前進したと。しかし京都市単費の努力が市民が求めているところで、そこは京都市の一存でできる。是非やるべき。
●給付制奨学金制度の創設、通学定期の割引、PCR検査支援で学生支援を
〇若者支援の計上が約3億3000万円になっている。コロナ禍通し実態の深刻さが可視化された。京都市内でも食料や生活物資支援のプロジェクトが取り組まれてきた。上京区内で生活相談員として参加をした際、親の経済状況厳しく学費以上の支援を求められない。生活費は全てバイトで稼ぐつもりだったがコロナで収入得られず、食費は1日1回に抑えながらしのいでいる、生理用ナプキンを買うか、おかずを買うか迷うなど想像絶する過酷な実態。大学の授業が完全なリモートなら賃貸マンションを解約し実家に帰るが対面授業もありそれもできない。せめてこの間だけでも学費が半分になればと切実な声だった。日本の学費を引き下げなければ学生の学ぶ権利は守れない。子ども若者はぐくみ局として総合企画局とも連携し本市独自の給付型の奨学金の実現検討するべきだ。
(理事者)子ども若者はぐくみ局では青少年活動センターで自主的な活動の支援、居場所づくりの事業、困り事相談支援に取り組んでいる。奨学金については総合企画所管で国等とも連携して取り組みを進めていると認識している。
〇学生の街京都が学生の声を受け止め学生の声を活かした政策を行うことが求められている。市内の約15万人の学生の学びと活動を支えるために、通学定期代金の割引制度、新たな感染症対策や検査の費用助成を大学政策の問題とせず、一緒に考えてほしい。
(理事者)子ども若者はぐくみ局は青少年活動センターで様々な支援に取り組んでいる。そういった支援を通じて、大学生も含めた青少年若者の健全育成に努めていきたい。
〇大学政策が交流人口を増やすという経済の一つの起爆剤として位置づけてきた本市の実態がある。京都で学んだ人たちが、この京都で今後も活動し、就職先を求めてもらえるような展望ある政策が必要だ。先程紹介した声なども掴んで寄り添っていく京都市政でないといけない。積極的な検討を求める。
●京都子ども文化会館問題について
〇大規模改修で存続を願う京都府市民の願いに反して廃止決定されたことは大問題だ。廃止を撤回し子どもの文化活動の場として、住民の文化活動の場として京都市が努力をする必要がある。
(理事者)令和4年2月に庁内の検討会議を経て活用方針案を公表している。コンセプト踏まえ民間活力を活用した公募型プロポーザルにより事業者を募集する。その方針に従って取り組みを進めていく。
〇京都こども文化会館事業を担ってきた子ども若者はぐくみ局としての責任がある。子どもの健全育成を図る理念があったはず。この立場で責任を遂行してほしい。
(理事者)子どもの文化活動、芸術を通じた子どもの育成を図ることは大事なこと。教育委員会、文化市民局、子ども若者はぐくみ局の児童館など様々なところで総体として取り組んでいきたい。
〇少子化対策が必要だと言われ、文化庁が京都に来るという時にこどもの文化活動の場を自らなくすことは時代の趨勢に逆行する。この場所は大事な市民の財産である。あくまで公共の福祉として子どもの健全育成が保障されるために子ども若者はぐくみ局としての理念と責任を果たすべき。
(理事者)活用案のコンセプトとしましては跡地活用、土地活用に関しては、会館が文化芸術にふれる場として親しまれてきた経過や地元の皆様の想いを踏まえつつ、全市的な観点と地元の皆様にも歓迎されるような活用の観点の両方から活用の方向性を検討した。コンセプトの一つに文化、スポーツ、健康づくり、地域コミュニティ活性化等寄与し、公共的機能を有するというのも入れてあるので、方針に従って進めていきたい。
〇京都こども文化会館のシンボルだったからくり時計はどうなっているか。
(理事者)建物は除却するという形ですので、除却するという形です。
〇長年のシンボルであり歴史もある。単なる除却でなく、子ども達の文化活動の場として生かしていただきたい。
(理事者)子ども文化会館は歴史のある建物で、多くの方に親しまれてきたことも承知をしている。ただ建物は耐震性の問題、老朽化の問題で新たなものに跡地活用していく。
〇建築専門家が、改修すれば使えると指摘している。今からでも大規模改修を検討し市民・府民が納得できる活用を求める。
●ヤングケアラー問題について
〇子ども若者はぐくみ局が担当するそれぞれの事業の理念に子どもの権利条約の考え方を位置づける必要がある。ヤングケアラーの問題も、子ども若者はぐくみ局が主体となって対応していく姿勢が必要。
(理事者)ヤングケアラーについては背景、要因等については様々な問題、課題を抱えている。子どもの権利が制約されていれば軽減にむけて取り組んでいく。ただその中で複合的な課題を解消するために、様々な局と連携をし、また民間の力を借りながら、子どもたちの権利を保障することは非常に重要である。子どもの人権を保障するとともに、子ども自身が家族を大事に愛し介護している気持ちを尊重し、寄り添いながら支援することは重要だ。子どもだけでなく家族まるごと支援の視点を持ってやっていきたい。
〇家族を丸ごと捉えて何が課題かを掴むことが大事、そのための集団的な検討が必要。具体的な支援が担保されず、啓蒙だけでは子どもを追い詰める。子どもは独立した人格として守られなければいけない。様々な家族があると言ってしまうと子どもの権利は後景に追いやられるという問題があるということ指摘する。
教育委員会審議 3月7日
●全員制の中学校給食について
○中学校給食について質疑があった。令和5年度予算で全員制の中学校給食実施に向けた調査費2000万円が計上された。本当に多くの市民が期待をもって今後の議論進捗を見守っている。日本共産党議員団はかねてより小学校のような温かくて美味しい豊かな学校給食の実現を求めてきた。市民の願いに応えて教育委員会が全力を挙げていただきたい。
●生理用ナプキンの全校トイレへの配備を
○行財政局防災危機管理室に伺うと、備蓄用の生理用ナプキン67,000枚が備蓄されており、10年に1回の頻度で更新することになっている。その更新年度が令和5年度、6年度となり、その際には払い下げることになるとのこと。防災危機管理室としても、生理用ナプキンの払下げは今回初めてとなり、効果的な方法を検討したいとしている。教育委員会として、この払下げとなる生理用ナプキンを全学校の全トイレに配布することの実施を検討いただきたいと思うが、いかがか。
(→理事者)状況を行財政局と共有。関係局と有効な活用についての調整が必要。学校での配布についての希望も含め教育委員会として今後取り組んでいくことになると思うが、配布方法は必要としている子どもたちにきちんと行き渡るようにすることが非常に大事なことだが、トイレの配備だけにこだわるのではなく、各学校での状況に合わせて工夫していただいている。
○教育的立場から検討する必要がある。生理のことであり「必要なもの」であるという認識を具現化するという立場に立って、「トイレにあって当たり前のもの」だということを実現していくことが教育委員会の役割だと思う。元々そういう生理的なものに対して当たり前に対応していくことが社会的なコンセンサスであるので、このことの具体化を求めたい。
●GIGAスクールの課題について
○ICT(情報通信技術)教育は、そもそも経済産業省主導で導入されてきたものだという認識について、いかがか。
(清水教育改革(初等・中学校教育)担当部長)すべての子どもに個別最適化されたグローバルで創造性を育む学びを実現する構想として文部科学省が提示したもの。
○「個別最適化された学び」と文部科学省が強調しているが、経済産業省と ICT 教育企業が押し込んできたもの。東京大学名誉教授、全米教育アカデミー会員の佐藤学氏が「パソコンとタブレット端末1人1台、学校ごとの通信環境整備など、ICT産業の活性剤になっている。学習環境整備は必要だが、未来の教育がICT教育かといえば違う」と断言している。既に2015年OECDのPISA(国際的な学習到達度調査)調査委員会の報告書で、読解力、数学、科学の3領域でコンピューターの利用時間が長いほど学力は低下していることが証明されている。コンピューターやタブレットを使うと学びが個人化し、協同の探求が阻害される問題についても検証し指摘されてきた。グローバルICT教育市場が2025年には1000兆円にまで膨張すると予測されるなか、巨大なICT産業界の利潤追求が公教育を阻害する危険があると警鐘されていることについて、受けとめはいかがか。
(理事者) ICT は学びのための手段であり、それ自体の目的化はしていないと認識。ICT の利点である「個別最適化された学び」と情報技術を使った協同的な学びを融合させていくことは可能。情報化社会を避けて通ることできないことを踏まえ、そういったICTを積極的に活用していくという視点も含めて子どもたちの情報活用能力をつけていきたい。
○令和5年度予算で「ICT 環境の充実」だけでも約16億3700万円を計上しているが、システムとして将来にわたり維持できる担保はあるのか。既に自治体に多大な負担がかかっており、財政的にも公教育全体の予算振り分けへの影響、教育現場で矛盾が生じているのではないか、いかがか。
(理事者)この間必要な整備予算は、国庫補助や国臨時交付金で賄っているため、市の現在の教育予算には負担なくここまで進められている。今後の更新は4~5年を想定しており、一人1台あたりの国庫補助の上限価格が端末4.5万円であり、落札価格にもよるが端末10万台で45億円程度となり多額の費用を要する見込み。令和2年9月市会の付帯決議も踏まえて、指定都市教育協議会で国に対してしっかり要望している。
○臨時交付金やさまざまな補正予算でタブレットの予算が組まれてきたと言うが、将来に対してシステム維持するために莫大な費用がかかることの担保は見えない。この間、小学生が自宅に持ち帰ったタブレットの故障とその修理費をめぐり相談が寄せられている。これまでの議論で故意に破損したか否かなど、状況に応じて公費で修理するとの答弁であったが、あらためて修理費負担の基準を明確に示していただきたい。
(理事者)損耗または損傷が、保護者または利用者の、故意または重大な過失によると認められるときは、修繕費(貸出物品の原状復帰に要する費用)は保護者の負担としている。
○相談者の話では、「子どもが自宅に持ち帰ったタブレットを部屋に置いていたところ、たまたま来客が伴って来た乳児が触れたことが故障の原因」だが、これが「過失」と言われることに大変なショックを受けた。しかも、その修理費が3万円も要すると言われ、どうしてなのかとの訴えである。これが事実なら、そのような高い文房具が小学生に必要なのか、教育の無償化の原則からも大きく逸脱する問題だと思うが、いかがか。
(理事者)学校内での利用の際には、児童・生徒に対する教職員の指導など、学校側で管理責任を負うものとして故意による損傷などを除き原則保護者を求めていない。保護者負担を求めるケースは、損傷の原因となる事象が自宅で発生した等、保護者の管理下にあることかつ保護者が損傷の起こりうることを予見し回避することができた場合、または故意による損傷の場合であり、限定的に取り扱っている。
○小学生に対して「こういうことになっているので」と言うのはあまりにも教育の現場としてどうなのか。やはり修理費のあり方については最低でも見直し、そして善処されなければならない。こんなことが本当に日常に起こってくるということは恐ろしいこと、考えられないこと。
●西京高校 米軍海兵隊基地内クバサキ高校での射撃訓練体験について
○この間、西京高校のフィールドワークの一環で沖縄の米軍基地内にあるクバサキ高校での射撃訓練体験が行われたことについては質疑してきた。市民からも「高校生に射撃訓練体験というのは不適切でないか」という意見が寄せられたかと思う。3月5日から1年生がクバサキ高校でのフィールドワークを予定していた。事前の常任委員会での答弁では、「フィールドワークは予定しているが体験内容は未定」という答弁。既にフィールドワークが取り組まれたが、射撃訓練体験は今回も実施されているのか、これについて変更があったのか。
(→菅野教育改革(高等学校・総合育成支援教育)担当部長)体験内容については、学校が、安全確保を前提としつつ、先方からいただいた提案を元に決定している。今回はJROTC(高校生向けの予備役将校訓練課程)、体育、芸術、音楽の4コースに分かれての実施は前回同様。射撃体験は「先方からいただいた提案を元に決定」ということであり、今回は予定されてないと聞いている。
○これはやはり市民の意見・指摘を受けとめられた結果だと思う。これまで「射撃訓練体験も含めて教育的意義はあった」とご答弁してこられたことから変更されたというように認めたいと思う。引き続き子どもたちの体験学習で「どういった場所が選定されるべきか」「何を体験されることがふさわしいか」、充分に教育現場、もちろん保護者や子どもたちの意見も取り入れながら、十分に議論し、慎重に検討をいただくことを求める。
(→稲田教育長)射撃体験はこちらから「やめる」と言ったわけではなく、向こう側がプログラムから外しているのであり、教育委員会から「外してくれ」と言ったわけではない。
○それは非常に問題だ。射撃体験を「やめるという判断をしなかった」と教育長がおっしゃった。重大である。しかし結果として「やめた」ということは大事。子どもを守るためにもこのことが大事であることを指摘する。
(→稲田教育長)この件は以前から「教育への不当介入」と言っているが、平成30年に名古屋で前川元文部科学事務次官が中学校で行った授業に対し国会議員からの問い合わせがあったことについて、一部で「教育への不当介入」ではないかという報道がされた。その際に共産党の志位委員長が「今回の事態は抑制のかけらもなく、むき出しの介入を行なっている。最高裁判決に照らしても今回の件は憲法違反の行為」だと批判されている。この志位委員長の言葉をくらた先生にそのまま申し上げたい。
○とんでもない。市民の声によって射撃訓練体験はやめることになった。これが事実である。
(→稲田教育長)教育委員会としては事実ではない。
○いずれにしても、教育の理念に照らして射撃訓練体験を行わせることこそ不当であり憲法違反である。
●二条城北小学校における図書館設置について
○予算委員会に今年図書室のない学校についての資料を求めたところ、二条城北小学校には未だに図書室がないとのこと。図書室に代わる他の教育内容が充実しているとしても図書室に置き換えられるものはない。ぜひとも図書室がない状況は早急に改善を図っていただきたい。
(→俣野教育環境整備室長)オープンスペース形式の図書館は他の学校にもある。低学年のの教室の前に「絵本コーナー」があり、広い廊下には「ライブラリーロード」として充分な書籍数があり、貸出も自由な形でできる図書館がある。「アクティブラーニングルーム」という調べ学習・探究学習の形で使える部屋を学校と協議して用意をしており、「調べる学習ができているということから「図書館機能が存在している」と認識している。
○図書室としてきちんと整備するべきだと求めている。これが住民・市民の願い。
(→俣野室長)あくまでも学校と協議した上でしっかりと子どもたちに読書環境が提供できているという認識であるため、今の形状で問題ない。
○そういう認識だということだろうけれども、図書室としてきちんと整備することが基本であり、そのことを求めておく。
(→俣野室長)オープンな形で図書館・図書室等を整備している学校はいくつもあり、二条城北小はそれらとなんら遜色ないため問題ない。
(更新日:2023年03月09日)