【見解】
家庭ごみ有料化の10月実施は中止し、
本格的なごみ減量に向け、幅広い市民的討議を
            
   〜京都市のごみ行政に対する日本共産党京都市会議員団の提案〜

                                                
                   2006年7月  日本共産党京都市会議員団
1、家庭ごみ有料化に道理はありません
 今春の2月市会定例会に桝本市長は家庭ごみ収集の有料化=有料指定袋制の導入を提案し、自民、公明、民主・都みらいの各会派と無所属議員の賛成多数で可決されました。しかしここには重大な問題が含まれており、有料化の10月実施は到底認められません。

 第1に、市は市民意見の集約にあたり、有料化に反対の意見まで賛成に数えるなど市民意見を意図的にねじ曲げて有料化に導きました。第2に、市は「有料化はごみ減量 のため」と言いながら、その効果について論拠も事例も示せませんでした。第3に、国の税制改悪の影響など市民生活がますます厳しくなる中、年間20億円もの新たな負担増は、市民に耐え難い痛みを押しつけることになります。

 日本共産党市会議員団は、市民の力に依拠して、もっと再利用と分別・リサイクルをすすめるべきこと、これ以上、公共料金の値上げや有料化は避けるべきこと、もっと旺盛に市民の声を聞くことなどを主張して議案に反対しました。

 家庭ごみの有料化を地球温暖化防止のためというなら自動車を呼び込む市内高速道路の建設こそ中止、見直しをすべきです。

 京都市の姿勢は矛盾に満ちており、さまざまな理由をつけながらも結局は「有料化ありき」で市民意見を無視して事がすすめられたことは明らかであり、賛成した会派、議員の責任は重大です。
 引き続いて有料化の実施ストップを求める声がどんどん寄せられています。市民は納得していません。私たちは、有料化の10月実施の中止を求めます。以下、本格的なごみ減量 のために提案します。


2、京都市ごみ行政の問題点
(1)何でも燃やす「全量焼却」主義のツケが市民負担に
 従来から京都市は、なんでも燃やして埋め立てるという手法、いわゆる全量 焼却方式をすすめてきました。2005年の計画でも、分別・リサイクルによる再資源化率はわずか4.6%、一方で焼却は92.3%となっています。なんでも燃やす全量 焼却のために高性能の焼却炉が建設され、その維持修理等に莫大な予算がつぎ込まれてきました。さらに今度はその燃やした灰を減らすためとして、新たな焼却灰溶融炉を建設中です。この施設は建設費総額が230億円にも及び、完成後は毎年18億円もの維持費がかかり市財政を大きく圧迫することになります。家庭ごみの有料化はこれら大型施設のコストの一部を市民に転嫁するものです。

(2)缶・ビン・ペットボトルの分別もせず混合収集、遅れた分別・リサイクル
 京都市の分別・リサイクルの取り組みは他都市に比べても大幅に遅れています。身近な場所での分別 回収は、缶・ビン・ペットボトルと小型金属類だけです。プラスチック類の分別 収集も一部の地域での実施から、来年10月には市内全域に拡大する予定ですが、それ以外の資源ごみは効率の悪い区役所などでの「拠点回収」です。缶 ・ビン・ペットボトルも混合収集。これでは市民のリサイクル意識は向上しません。お隣の宇治市や長岡京市、政令指定都市では名古屋市や横浜市が分別 をすすめてリサイクル率を向上させ、焼却するごみの量を減らしています。

(3)極めて不十分な事業系ごみ対策
 会社や商店などから出される事業系ごみは民間の業者が収集し、清掃工場に運んで焼却しています。家庭ごみを減らす対策と共に事業系ごみを減らす取り組みの強化が求められます。ところが事業系ごみは95年が約41万6千トン、04年が39万3千トンとほとんど減っておらず、ごみ総量 に対する割合は53.3%から55.8%とむしろ増えています。なんでも燃やす全量 焼却方式をすすめてきたことが、独自の対策をあいまいにしてきたのです。事業系ごみが清掃工場に持ち込まれた際の点検、指導は極めて不十分で、缶 ・ビン・ペットボトルなどと一般ごみとの混在も事実上認められています。

(4)ごみ問題の大元である企業責任から目をそらす京都市
 ごみを減らすために最も重要なことは、商品の生産段階でごみになるものをつくらないこと、つまり発生抑制をすすめることです。そのためには発生元である企業の責任を明確し、ごみを減らすための社会的なしくみ、制度をつくることが必要です。ところが市は、「市民・事業者の自主的な取組み」をことさら強調し、有料化を正当化しようとしています。発生抑制・上流対策というのは消費者・市民レベルの話ではなく、ごみになるものをつくる生産者の問題なのです。ごみ問題の本質から目をそらして、ごみを減らすことはできません。

3、有料化しなくてもごみ減量は可能 − 日本共産党市会議員団の提案
(1)身近な回収拠点での分別品目を大幅に拡大してリサイクル率を飛躍的に向上させ、焼却ごみを大幅に減らします。また、缶 ・ビン・ペットボトルの混合収集をあらため、分別収集にします。   
(2)繰返し利用できるリターナブルビンの普及、リサイクルプラザの設置やリサイクル情報のいっそうの普及とシステムの構築など、リデュース、リユースをすすめます。
(3)清掃工場搬入時の点検強化など、事業系ごみ対策を抜本的に強化します。
(4)ごみ行政のあり方について行政と市民との徹底した話し合いの場を持ちます。
(5)ごみ問題の大元、製造段階での発生抑制の制度化を政府に強く要求します。そのことを市民にも広く知らせ、市民といっしょに国への運動に取り組みます。

 私たちは、都市計画決定され建設費が予算化されていた鴨川のフランス橋計画をストップさせました。日本共産党と市民との共同の広がりが大きな世論となり、市長と与党会派を追いつめた結果 です。
 家庭ごみ有料化の10月実施をストップし、本格的なごみ減量と地球温暖化防止へ大きく転換させましょう。
                                                          以上